アメリカンペットドッグトレーナーズ協会
Top Ten Books ドッグトレーナー部門
8年連続第一位
全米ドッグライターズ協会主催
Maxwell Award 受賞
「これまでに読んだイヌの本の中でも白眉の一冊。その内容はユニークの一言に尽き、読む者をぐいぐい引きつける。イヌの行動とトレーニングに関する常識を根底からくつがえすような新説が、まさに怒濤の勢いで展開されている。一級のサスペンス小説に匹敵する面白さだ」
ほめるドッグトレーニングのパイオニア
イアン・ダンバー博士
◆第1章 イヌの身なってみて分かること。
イヌの知性と道徳心。
◆第2章 イヌはどのような性質を持って生まれてきたか。
狩猟本能と社会的行動。
◆第3章 社会化、争いの解決、恐怖心、攻撃性。
イヌの咬み癖と攻撃性。
◆第4章 身の回りのものは全て咬むオモチャ。
行動問題と解決法。
◆第5章 ピーマン頭でもイヌは素敵。
イヌはどのようにものごとを学習するか。
◆第6章 オビーディエンス・トレーニングの基本。
トレーニングの手順と行動を定着させるための号令
何千年と続いてきた人間とイヌの関係を、ジーン・ドナルドソンがいま、斬新な切り口から問い直す。イヌの飼い主でありプロのドッグトレーナーでもある著者が、自らの経験とイヌの行動の専門家との実践的研究を通してたどりついた結論、それは、イヌはあらゆることをオペラント条件付けと古典的条件付けから学習するというものだった。
世間はイヌの知性を過大評価するだけでなく、イヌやその行動を人間の視点から一方的に解釈するという大きな間違いを犯していると、著者は指摘する。食べ物(一次的強化子)で釣らなければイヌのしつけができないことにがっかりする人が大勢いるが、著者は「イヌが人間を喜ばせたがっている」という勝手な思い込みはもうそろそろ捨てるべきだ、と雄弁に反論する。イヌに何かをさせようと思えば動機付けは絶対に必要だ。そして最大の動機付けの手段となるのは食べ物である。それなのに人間は、そうしたイヌを馬鹿だと言い続けてきたのである。
著者は、これまであまり公の場で取り上げられてこなかった「飼いイヌの攻撃行動」という問題にも鋭く踏み込み、攻撃的なイヌのしつけを手がけた経験から、イヌを絶対に咬まない「良いイヌ」とそれ以外の「悪いイヌ」の二種類に分類できる思うのは間違いだ、と断言する。イヌが何かを咬むのは自然で正常な行動なのだ。
イヌ同士の攻撃行動は、人間のちょっとした口げんかと同じで、仲間内では決して大した問題にならない。事態が深刻化するのは、イヌ社会のルールが人間の価値観と衝突したときだ。咬傷事故を起こしたイヌは、人間社会で暮らすための矯正訓練を受けることもなく、即刻殺処分に回される。これを異文化の衝突といわずに何といえばよいのだろう。
ジーン・ドナルドソン プロフィール
カナダのモントリオール出身、マックギル大学を卒業後「モントリオール・フライボール協会」を創設し、カウンセリング・サービスを提供(学生時代にモントリオール動物虐待防止協会で里親カウンセラーに従事後、同協会の役員となる)。
1999年サンフランシスコへ移住し[ドッグトレーナーのハーバード]として知られる、名門Societys Academy for Dog Trainers を創設。
同アカデミーで教育を受け資格認定された卒業生は、トレーナーや独立した行動カウンセラーとして活躍している。
現在、同アカデミーのジーン・ドナルドソン「トレーニングコース」は6ヶ月の入学待ちという盛況振りでる。
※ジーン・ドナルドソン著/水越 美奈 監修/橋根 理恵 訳
サイズ | A5型 210mm×148mm 上製本224ページ |